福知山線脱線事故から3年



2008年5月6日更新

この4月25日に107人もの死者を出したあの忌まわしい福知山線脱線事故から3年が経ちました。
昼のテレビでそのニュースが流れましたが、いまだJR西日本は何ひとつ学習していないんだなと感じました。

先に大阪駅環状線ホームの混雑の話を書きましたが、混雑は解消するどころかますますひどくなっている気がします。

そんな中、大阪駅の構内が改修されました。結果、前よりもはるかに歩き難い駅になりました。

理由は、駅構内の見通しが効かなくなったせいです。

耐震性を高める為の対策なのでしょうが、従来からあった駅構内の柱が以前よりも太くなった上、ただでさえ数の多い柱の断面は全て角ばっていて、至るところがブラインドの様になり、全く見通しが効かず、柱の陰から次々に現れる人にぶつかりそうになります。
その太くなった柱は何故か面取りもされていないまっ四角い断面の為、滑らかに曲がる事も出来ず、実質的に通路も狭く感じます。

僕は通勤の為に阪急とJRを利用しています。

同じターミナル駅でも、JR大阪駅と阪急梅田駅には大きな差があります。
JR大阪駅と阪急梅田駅を比べてみると、JRという会社がいかに駅利用者に対して無関心(と言うよりもいかに自分たちの都合しか考えていない…)かが良く解ります。

阪急梅田駅には9つの線路がありますが、いずれもプラットホームの間に列車が入り込むので、それぞれ列車両側に乗車用、降車用ホームがある構造になっています。
その為、ホームに列車が到着すると、列車は両側の扉を開き、乗車客は乗車ホームから列車に乗り、降車客は列車から降車ホームに降りる流れが出来、ほぼストレスなく列車への乗り降りが可能です。
(たまに流れに逆らう、とち狂った人がいるもので、そうした人がいると少々ややこしくなります。)

駅構内の柱類も最小限で見通しが効くので、多少混雑しても、そうストレスは感じずにすみます。
阪急梅田駅の場合、車両両側の扉を最大限に生かし、列車とプラットホームの人をうまく流す工夫をしている訳です。

ところがJR大阪駅の場合、プラットホームそのものはだだっぴろいのですが、ホームの両側に別々の方向から来た列車が停まる様になっています。
その為、列車の扉が利用できるのは車両の片側だけです。
おまけに同じホームの両側に列車が到着しますから、ホーム上には乗車客、降車客が入り交じる事になります。

更に駅構内の案内が適切とは言えず、不案内な地方から来た人がプラットホーム上のあちこちで案内を見失って立ち止まり、人の流れを阻害します。

JR大阪駅の場合、阪急梅田駅に比べ、1列車の利用できるプラットホームの数で1/2。
プラットホームについた列車の利用できる扉の数で1/2。
更にひとつの扉を乗車客、降車客が共用するので扉ひとつあたりの処理できる人数で1/2となります。
おまけにプラットホームへのアクセスが最悪で、ラッシュ時には昇降階段、エレベータの配置が悪くて、容易に自分の行きたい路線に近づく事さえ出来ません。
つまり、阪急梅田駅に比べ、JR大阪駅を利用する場合、8倍以上もの労力が必要なのです。

やむ終えぬ必要に迫られて、利用はしていますが、正直なところJRは利用したくありません。

阪急などに比べると、地方からの利用客も多いので、なおさら利用し易い駅であって欲しいのです。

もともと僕は国鉄が大好きでした。日本全国の交通を支え、事故も少なく、安心できる交通機関と思っていたからです。
さらに統一されたスマートな車両のイメージがとても魅力的でした。

多分それだからこそ、余計にJRという会社に対して腹が立つのだと思います。

全国一律に何が何でも同じ方式を取り入れて、画一的にしか物事を捉えようとしないその姿勢が、利用客無視につながっている様に感じます。

何故、日に数人しか利用しない駅と、数十万数百万人が利用する駅を同じ構造にする必要があるのでしょうか。
JR大阪駅でも、郊外線区となる東海道線、福知山線と、大阪市南北を結ぶ環状線のプラットホームが同じ構造である必要は全くないと思うのです。

例えば、遠距離列車のホームは旅情を誘う今まで通りのもので良いと思います。
ですが、利用客の乗降が多い大阪環状線や東海道線、福知山線の様な近郊線区のホームはより乗降し易くする為に、阪急梅田駅の様に乗車用ホームと降車用ホームは分けるべきでは無いでしょうか。
別に全線区の駅の構造を変えるべきだとは思いません。
大阪駅の様にターミナル駅において、また必要なプラットホームのみ、改善すべきだろうと思います。

駅構内の柱にしても、まるで駅広告の為に大きくしたのではないかと思える様な、面取りさえされていない四角い断面です。
わざわざブラインドコーナーを駅構内のあちこちに配置して、利用客を通せんぼしています。
駅利用客を馬鹿にしているとしか思えません。

大切なのは利用客を安全に運ぶ事だと思うのですが、その配慮(心配り)が全く見られないのです。

僕はメンテナンスの仕事をしていますが、大手の事業所では大抵入構教育というかたちで安全教育を受けます。
その内容と比べると、JRの駅は一般の人が日ごろから利用しているにもかかわらず、安全に対しては全くの無配慮で、極めてずさんな管理しかされていないと思えてきます。

例えば、時速100kmで走行している列車がホームを駆け抜けても、「列車が通過します。黄色い線の内側までお下がりください。」と言うアナウンスが流れるだけです。
50年も前なら、列車の運行速度はせいぜい40〜60kmくらいのものでした。
でも、時速100km以上もの速度で通過する列車に対して、ただただアナウンスだけで済ませるその姿勢はどうしたものかと思います。

駅のホームは色々な人が利用します。
必ずしも健康な人ばかりではないし、お年寄りや子供を抱えたお母さんお父さんや、重い荷物を引っ張っている旅行客も、歩くのが大変な老人も、眼や耳の不自由な人たちも利用するのです。
そうした人たちが安全に、安心して利用できる様、駅は整備されるべきです。

最も良いのは、新幹線のホームの様に、ホーム端に転落防止のフェンスを取り付けて、列車と利用客を隔ててしまう方法です。

厳しい経費の中で何とか経営している事は解ります。
しかし、このプラットホームの構造を改善もしないで、利用客にアナウンスだけをして注意を喚起するだけというのはあまりにも横暴すぎるのでは無いでしょうか。

果たして、JRの経営者たちはこうした実情を知っているのでしょうか。
自分たちが、一度でもラッシュ時の駅の混雑を体験しているなら、駅をこんなままで放置しておくなんて事はできない筈です。
それを放置して見て見ぬ振りをするのなら、その人は経営者としては失格というべきではないでしょうか。


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